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服育コラム

第10回 ネクタイ

ネクタイのはじまりは「クラバット」

サッカーW杯ドイツ大会の予選リーグで日本と対戦したクロアチアは「東欧のブラジル」と呼ばれる強豪国です。今回のテーマであるネクタイ、実はこのクロアチアとたいへん深いつながりがあるのです。

ネクタイをフランス語で<クラバット>といいますが、クラバットの本来の意味は<クロアチアの軽騎兵>。頃は17世紀半ばのヨーロッパ、三十年戦争にあけくれるフランスに傭兵として雇われたクロアチアの軽騎兵がはるばるパリにやって来ました。彼らはみな一様に色鮮やかな布を首に巻いていましたが、これは愛する女性の衣服の一部を身につけていると戦死しないと信じられていたためでした。それを見たパリの洒落者たちがこぞって真似をしたのがネクタイの起源であるといわれています。以来今日に至るまで、ネクタイは常に男性の襟元を飾り続けてきたわけです。

失敗しないネクタイ選び --柄を絞りこみ、色使いは3色まで

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何かと制約を受けることが多い男性のビジネスウェアにあって、唯一ネクタイだけは個性を発揮する余地が残されています。着こなし全体のイメージがネクタイによって大きく左右されることもあり、それだけにネクタイは慎重に選びたいもの。失敗しないネクタイ選びのポイントをいくつか挙げてみましょう。

まず色と柄です。ネクタイ柄はクラシックパターン(古典柄)と呼ばれる「ストライプ(縞柄)」「ドット(水玉柄)」「オールオーバー(小紋柄)」「チェック(格子柄)」そして「ソリッド(無地)」の5種が基本です。柄を絞り込み、そのぶん色で多少冒険するのが賢明なネクタイ選びといえるでしょう。とは言え、色使いは多くて3色まで。多色使いのネクタイはスーツやシャツとのコーディネートを難しくします。

ネクタイとTPO

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次にTPOとのマッチングです。例えば同じミーティングであっても司会を務めるようなときは出席者の注視度を自然と高める赤色系統のネクタイが、出席者の一人として臨むときは控えめな紺色系統のネクタイがより相応しい選択といえます。TPOの特性を考慮してネクタイを選択することで、服装にメッセージ性を持たせることができるのです。

「ネクタイは、それを締めている人より一歩先に部屋に入ってくる」これは“女王陛下のデザイナー”として有名なサー・ハーディ・エイミス卿の言葉です。ネクタイがそれを身に付ける人のアイデンティティとして機能することを見事に言い当てている名言ではありませんか。