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服育とLGBTQ

LGBTQとは

LGBTとはL(レズビアン)、G(ゲイ)、B(バイセクシュアル)、T(トランスジェンダー)の頭文字から作られたことばです。
ここにQ(クエスチョニング、クイア)、X(エックスジェンダー)を加えてLGBTQやLGBTQ+(プラス)と表現されます。

2015年4月30日に文部科学省より出された「性同一性障害に係る児童生徒に対するきめ細やかな対応の実施等について」という通知をきっかけに、学校現場におけるLGBTQの児童生徒の存在への配慮や、性的指向と性自認の多様性へ取り組む必要性が認識されるようになりました。

「性」について複数の要素から考えてみましょう。
私たちが日ごろ想像する性は、例えば下記の4つが混ざり合ったものだといえます。

1. 身体の性

身体的な特徴や性染色体、生殖腺などによって客観的に判断される性別。外性器の違いだけでなく、精巣や卵巣の有無、染色体の組み合わせなど見えない性の違いも含む。

2. 性自認(心の性)

自分自身の性をどう捉えているかということ。性自認と身体の性が一致せず、身体に違和感を持ったり、男女のどちらの性でもないと感じている人もいる。

3. 性的指向(好きになる性)

恋愛感情が向く性別のこと。恋愛対象が男性、女性、男女両方、または恋愛感情を抱かない場合もある。

4. 性別表現(表現する性)

言葉遣いや服装、髪型等の装いで表現する性のこと。性自認や性的指向と、性別表現が一致するとは限らない。

L レズビアン 女性同性愛者(女性が恋愛対象となる女性)
G ゲイ 男性同性愛者(男性が恋愛対象となる男性)
B バイセクシュアル 両性愛者(男女両方が恋愛対象となる人)
T トランスジェンダー 生まれた時の法的・社会的性別とは違う性別で生きる人・生きたいと望む人
Q クエスチョニング、クイア 性的指向や性自認がはっきりしていない、定まらない、決めたくない、その有り様を探している人
また、かつては侮蔑的な意味あいで使われていたQueer(クイア)の意味で用いる場合もありましたが、現在では当事者が肯定的な意味合いで使うようになっています。
X エックスジェンダー 男性・女性のどちらでもない、どちらでもある、性別が定まらないといった自認を持つ人

日本ではLGBTQの人口は調査にもよりますが5~8%前後と推定されています。学校に置き換えると、クラスに1~2人はLGBTQの児童生徒が存在しているといえます。

服育とLGBTQ~みんなが笑顔になれる服であるために

宝塚大学看護学部 日高庸晴教授が2019年にLGBTQ対象に実施した全国インターネット調査REACH Online 2019 for Sexual Minorities(有効回答数10,769人)によると、小・中・高時代に「与えられた制服に対する嫌悪経験あるいは嫌悪感を感じた経験」はトランスジェンダーに集中しており、若年層ほど高率の傾向にありました。
従来の男性用・女性用という枠の中で形作られたきた衣服では、違和感を感じ苦痛を感じている子どもがいます。その一方でその制服が好きで着用しているという子どももいるでしょう。

学びの場である学校には、多様な個性を持つ子どもたちが集っています。私たちは子ども達みんなが気持ちよく自分の着たい制服を着ることができ、その制服を通して笑顔で学校生活を送れるような制服づくりを目指しています。

そのためには大人も子どもも共にお互いを理解し、尊重し合える学びの場づくりが大切であると考えており、専門家と連携した服育活動を通してLGBTQに関する情報発信や学びの提供に積極的に取り組んでいます。

与えられた制服に対する嫌悪

これまでの学校生活(小・中・高)で、与えられた制服を着ることがいやだったことがありますか?

グラフ

※MTF/Male to Femaleの略であり、男性から女性へのトランスジェンダー。トランス女性とも表現する。
※FTM /Female To Maleの略であり、女性から男性へのトランスジェンダー。トランス男性とも表現する。

「与えられた制服を着ることがいやだった」と答えたのはトランスジェンダーに集中しており、特に若年層ほど高率の傾向にありました。

他は、L(14.8%)、G(0.8%)、B男性(1.1%)、B女(5.9%)、エックスジェンダー(MTX10.9%、FTX49.7%)、その他(15.7%)となっています。(それぞれ全世代の平均値)

子ども達にとって学びの場である学校は大切な居場所です。
「正しい知識と理解」と共に、誰もが気持ちよく着用できる「自分を表現する服(制服)」があることで学びの場の笑顔を増やしていきたいと願っています。

LGBTQに関する情報(宝塚大学看護学部 日高教授より)

研究成果をまとめたリーフレット

書籍のご紹介

映像教材のご紹介