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服育活動レポート

“きちんと着る”ことを動機付ける ~服装術からのアプローチ~

"きちんと着る"ことを動機付ける ~服装術からのアプローチ~

No.:
2013年愛知服育発表会
日時:
2013年9月27日(金)
セミナー一部:
制服にできる"守る"力 ~着方・選び方で子どもたちの安全を守る~
セミナー一部講師:
服育コーディネータ 有吉直美
セミナー二部:
"きちんと着る"ことを動機付ける ~服装術からのアプローチ~
セミナー二部講師:
イメージコンサルタント 池田衛
PDF:
発表会詳細
PDF:
発表会レポート
会場:
ウインクあいち10F 1001号室
主催:
愛知服育研究会
後援:
愛知県教育委員会、名古屋市教育委員会
協力:
株式会社チクマ

第一部 制服にできる"守る"力 ~着方・選び方で子どもたちの安全を守る~講師:服育コーディネータ 有吉直美

子ども達の生活の中で登下校を含めると、学校に関わる時間は一日のほぼ半分を占めています。その時に着用している衣服(=制服)を見つめ直すことで、学校内外の様々な危険や悩みから子ども達を“守る”ことができないか考えていきました。

まず学校外での危険性としてあげられるのが様々な犯罪、性犯罪、交通事故等です。犯罪・性犯罪については自分はどういった人間か伝える服の着こなし方で、危険を回避することもできるのではないでしょうか。特に短いスカート等は伱とみなされてしまう可能性もあります。交通事故については昼夜の
色による視認性の違いや反射材衣服に取り入れることで、危険性を低くすることもできるでしょう。

次に学校内での悩みについてですが、調査によると友達との関係で協調性を大切にする子どもが増えてきているようです。同じものを着用する制服は
仲間意識を共有できるという点では子ども達に好意的に受け入れられていると考えられます。しかしそこに制服の意義や衣服の歴史等を知ることによ
り、「同じ制服=楽」という消極的な考え方から、「同じ制服=プライド」を共有するより前向きな友人関係を構築することもできるのではないでしょうか。

その可能性が制服にはあると考えます。

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第二部 "きちんと着る"ことを動機付ける ~服装術からのアプローチ~講師:イメージコンサルタント 池田衛

パーソナルアイデンティティ戦略を専門とされる池田衛先生は、戦略的なイメージづくりの観点から服装術を多方面でアドバイスされています。今回は学校の先生方を対象に、生徒指導にもいかすこと
のできる服装術について、「“きちんと着る”ことを動機付ける」としてお話しいただきました。

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1.服はツール、服装はスキル

「能力があれば、外見なんて関係ない」「人を外見で判断してはいけない」などと言いますが、もしも外見も能力だとしたらどうでしょうか?実は外見も「コミュニケーション能力」という能力のひとつで、ノンバーバルコミュニケーションである服も、コミュニケーションツールであり服装(意図を持って着た時)
はコミュニケーションスキルになるのです。 → Keyword1.外見は能力

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2.第一印象の重要性

約6秒で決まると言われている第一印象についても、その決定因子の多く(93%)は外見的要因です。
第一印象はよくて当たり前、悪いと確実にソンをしてしまうのです。
→ Keyword2.第一印象はビジュアル90%、第一印象が悪いとソンをする

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3.パーソナルアイデンティティと服装

イメージは情報であり、「イメージ戦略」は情報戦略であるということができます。個人のイメージ戦略であるPI(Personal Identity)は、個人のパーソナリティを瞬間に的確にコミュニケートするための外
見術であるのです。 → Keyword3.イメージは生産性を左右する

4.服装術の正しい理解

服装術は好きな服を好きに着るオシャレとは違います。近い言葉では「身だしなみ」がありますが、「身だしなみ」が他人を不快にさせない配慮の守りの着こなしであるのに対し、「服装術」は自分のイメー
ジを的確に相手に伝えるための攻めの着こなしということができます。
→ Keyword4.オシャレ<きちんと装う

5.「らしさ」の服装

「らしさ」の服装とは、社会的立場やTPO(Time, Place, Occasion)との整合性をもった服装です。
→ Keyword5.「らしさ」=社会性

6.服装を指導するということ

(1)まずは隗より始めよ
(2)「なぜ」を説く
(3)身に着けるものに誇りを持たせる
(4)特効薬はない
行動を変えるためには意識を変えなければなりません。行動変容を促すことが教育の目的ではない
でしょうか。 → Keyword6.服装を指導するということ

ご参加された先生方、保護者の方々は皆さん熱心に聞いておられ、質疑応答にも多くの質問があがり
ました。服装指導に日々取り組まれている皆さんにとって、新しい観点のセミナーだったようです。

講師のご紹介

池田 衛
池田 衛
イメージコンサルタント

1962年長野県生まれ。1985年学習院大学卒。アパレルメーカー勤務を経て1993年にオフィスセミックを設立。
2009年より文化服装学院就職支援室スタッフを主務とし、3,000名を超える在校生のキャリア形成を支援している。

専門はパーソナルアイデンティティ(PI)戦略。戦略的なイメージつくりの観点から服装術をアドバイスする。
国会議員、企業経営者、タレントから就職活動中の学生、転職希望の社会人にいたるまで、幅広いクライアントを手がける。官公庁や地方自治体、一般企業、大学・専門学校をはじめとする教育機関における指導実績多数。
国家資格キャリア・コンサルティング技能士2級

株式会社チクマが提唱する「服育」の理念に賛同し、2006年以来、全国各所で開催された服育イベントで講演、服育の普及活動を支援している。