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服育コラム

第7回 スーツ

スーツとは?

新連載では、代表的なファッションアイテムの四方山話をご紹介し、着こなしのワンポイントアドバイスをお伝えしていきたいと思います。

第1回目はスーツ。スーツとは、ジャケットとスラックスが共生地で仕立てられていて上下一組で身につける、あるいは別生地であっても上下一組で身につけるような服をいいます。ジャケットとスラックスとベストと三点揃ったものがスリーピース・スーツ(三つ揃い)、ジャケットとスラックスだけのものがツーピース・スーツです。日本語で「背広」といいますが、これはロンドンにある仕立て屋通り「サヴィル・ロウ」の名前がなまったものだという説があります。

かつて、スーツはカジュアルウエアでした

今日、スーツは最もスタンダードなビジネスウェアとして世界中で着用されていますが、19世紀の後半に英国で誕生したときの位置づけは「カジュアルウェア(!)」でした。当時の日常着であったイブニングコート(燕尾服)の尻尾を切り落としたラウンジスーツがそれであり、堅苦しいドレスコードが厳然と存在していた当時、簡略化されたラウンジスーツは今日のTシャツとジーンズに相当するほどカジュアルな服であった、といっても過言ではないのです。「服装史はカジュアル化の歴史である」とはよく言われることですが、かつてのカジュアルウェアが今日のビジネスウェアに昇格したスーツの変遷などはまさにそれを証明していると言えるでしょう。

正統なスーツの着こなしは?

改まった場面でスーツを身につけるとき、見せてもよい肌は首から上と手首から先に限られることをご存知ですか。つまりシャツの襟元は第一ボタンまできちんと留めてネクタイを結び、夏季であってもシャツは長袖を着用し、椅子に腰掛けて足を組んだときにすねが覗いて見えないように、ひざ下まであるソックスを履く。これがスーツのオーセンティックな(=正統な)着こなしです。

さまざまなスーツの着こなしを楽しんで下さい

こんなふうに書くと堅苦しいイメージが先行してしまうスーツですが、着こなし次第で「カジュアルウェア」としてもじゅうぶん通用します(だって元々はカジュアルウェアでしたから)。ネクタイをせずに、シャツをボタンダウン(衿先をボタンで身頃に留めるデザイン)シャツに替え、寒暖に応じてセーターやベストをプラスし、足元には茶系のスリップオン・シューズ(紐なしタイプ)をあわせてみましょう。ビジネスシーンとはまた異なる、洗練されたオトナのカジュアルルックを楽しむことができますよ。