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服育活動レポート

LGBTsの存在を認識した上での学校教育 vol.3

LGBTsの存在を認識した上での学校教育 vol.3

LGBTsの存在を認識した上での学校教育 vol.3

No.:
第26回服育ラボオンライン定期セミナー
日時:
2022年1月28日(金)15:00-1700
セミナー:
LGBTsの存在を認識した上での学校教育 vol.3
講師:
宝塚大学 看護学部 教授 日高庸晴
PDF:

セミナー/LGBTsの存在を認識した上での学校教育 vol.3講師:宝塚大学 看護学部 教授 日高庸晴

2019年度に厚生労働省の研究事業の一環として全国36自治体で実施した「性的指向と性自認の多様性に関する教員アンケート(有効回答数21,634人)」 の結果から、学校現場の取り組みの実情が見えてきました。2011~13年全国6自治体(有効回答数5,798人)の集計結果と比較すると、意識や実践状況について変化したこと、変化しなかった現状が垣間見られます。

1.用語の知識

レズビアン、ゲイ、性同一性障害、LGBTの理解度は9割以上、ホモセクシュアル、バイセクシュアル、トランスジェンダー等の理解度は8割以上と、ある程度浸透していました。しかしエックスジェンダーやホモフォビアなどの用語はあまり知られていないようでした。

カタカナや英表記が比較的多く、欧米からの情報の流入によって新しい言葉や表現が多いですが、教員研修などを通じて、是非アップデートしていただきたい内容です。

2.同性愛と性同一性障害と思われる児童生徒の存在意識

「自分の性別に違和感を持つ児童生徒」「スカートをはきたがる男子児童生徒/スカートを嫌がる女子児童生徒」については、約3割の先生が「いた」と答えています。

さらに「同性愛について冗談や笑いのネタ等をする児童生徒(する側)」「異性愛(男性が女装、女性が男装)について冗談や笑いのネタ等にしている児童生徒」についても約3割の先生がこれまでにいたと認識していました。

文化祭などで女装(男装)したいという意見が出ることがありますが、「どういう目的で女装(男装)の出し物をしたいのか?」と生徒へ問いかけ、笑いを取るためにしようとしていることに自覚を促すことも必要でしょう。

3.性教育や健康教育に関連した児童生徒への関り経験

「同性愛」の児童生徒に関わった経験は9%、「性同一性障害(トランスジェンダー)」については20.3%でした。トランスジェンダーはレズビアン・ゲイ・バイセクシュアルを合算した1/10程度の存在であるにも関わらず、関りの経験を持つ先生は2倍以上になっています。学校においてはトランスジェンダーの方がより可視化されやすく気づきやすい特徴が見えてきました。

4.学校で教示する必要があると思う性教育や健康教育内容

「男女の体の違い」「第二次性徴」といった従来の性教育については95%以上が必要としているのに対し、「同性愛」「性同一性障害」については8割前後であり、「同性愛」は底値でした。同一の質問項目を用いた2011年調査と比較すると「学校で教える必要がある」とする先生がどちらも10%以上増えており教員の認識は変化してきているようです。

5.同性愛と性同一性障害に関する授業経験

「同性愛について授業に取り入れたことがある」は14.6%であり、2011年調査の結果とほとんど変化がありませんでした。つまり「授業に取り入れた方がよい」と考える先生は増えていますが、実際に取り入れた先生は増えていないのです。

6.性同一性障害や性的指向・性自認に係る国からの周知の認識割合

文部科学省から出された文書「性同一性障害に係る児童生徒に対するきめ細やかな対応の実施等について」(2015年)、「性同一性障害や性的指向・性自認に係る、児童生徒に対するきめ細やかな対応等の実施について(教員向け)」(2016年)を読んだことがある教員は回答者中18%前後である一方、「いじめ防止対策推進法『いじめの防止のための基本的な方針』改正」(2017年)は58%であり、いじめの文書の方が学校現場の反応がいいことが示唆されます。

国や自治体からの周知文書を浸透させるためには、管理職から「これは大切だから読んでおいてね」といった声かけが必要でしょう。

7.性的指向と性自認の多様性に関する学校の取組

「学校にあればよいと思う取組」の最多リクエストは「教職員研修」、次いで「授業用教材」「相談窓口」「研修教材」「指導案(授業案)」でした。

教育委員主催の研修は必須であり、より多くの先生が出席可能な校内研修を実施することが研修の参加率を高めます。校内研修の実施は中学校区単位で行い、中学校とその校区の小学校の先生が共に研修し、中学校区全体として取り組みを進めていくことが大事です。

DVD上映/レインボーストーリーズ LGBTsと社会

日高先生が監修された教員向け映像教材の上映も行いました。

② 家族~自分の子どもが当事者だったら~

④ 地域社会~ありのままで過ごせるコミュニティ~

→教材紹介ページ

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日高先生資料

子どもの“人生を変える”先生の言葉があります2021

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参加者のご感想

教職員研修として取り上げた事がないため、危機感を感じている。今日の講話で聴いた内容を、周囲の教職員に発信していきたい。
今回も大変ためになる内容でした。子どもたちも、地域社会の人たちも、職場も、誰もが違いを尊重しあって、自分らしく生きる世の中になりたいですね。

講師のご紹介

日高 庸晴
日高 庸晴
宝塚大学 看護学部 教授

京都大学大学院医学研究科で博士号(社会健康医学)取得。 カリフォルニア大学サンフランシスコ校医学部研究員、公益財団法人エイズ予防財団リサーチレジデントなどを経て現職。

最高裁判所/司法研修所による裁判官対象の研修や法務省の国家公務員人権研修、人事院のハラスメント研修等の講師を務める。法務省の人権啓発ビデオの監修、文部科学省が 2016 年 4 月に発表した性的指向と性自認に関する教職員向け資料の作成協力、自治体による啓発教材の監修を多く務める。

NHK「時論公論」「ハートネットTV」などメディア出演多数。