すべての子ども達に服育を!「服の力を楽しく学ぶために」
- 対象:
- 大阪府支援学校家庭科部会
- 日時:
- 2018年12月26日(水)13:30-15:30
- 経緯:
- 大阪府では2017年に支援学校教員だけの家庭科部会が誕生しました。
1. 服のコミュニケーション力に気付くために
服について無頓着になりがちな子どもが多い中で、いかにその大切さに気付いてもらうか先生方は日々苦心をされています。
ハンディキャップの内容は子どもによって様々ですが、服を着て毎日を過ごすということは皆同じです。そして着用している服は必ず誰かに見られ、何がしかの印象を残しているということも皆同じなのです。
前半は「服のコミュニケーション力を身に付けるために」とし、少しでも子ども達に分かりやすく伝えるためにはどうしたらよいのか考えていきました。着こなしの基本の話はもちろんですが、以前障がい者支援施設で着こなしのワークショップをさせていただいた時の入所者さんたちの反応を参考にお話させていただきました。
例えばTPOについても言葉の説明だけでなく、子ども達も知っている服の例をあげるとより分かりやすく身近なこととして気付いてもらえます。
「お医者さんが白衣でなくよれよれのジャージだったら?」「夜寝る時にパジャマでなくウエディングドレスで寝る?」など、着る服が違うだけで「変だな?」と感じたり「過ごしにくいな」と思ったりする感覚はきっと共有できるでしょう。その「?」を「どうしたらいいの」と考えることが生きる力の一つにつながっていくのではないでしょうか。
2. 服はどこで・誰が作っているのか
後半は「服と環境問題の現状について」です。
衣服の環境問題は子ども達だけでなく大人にとっても普段知る事の少ない分野ですので、まずは先生方に衣服の現状について知っていただきたいと、環境問題とものづくりの現状について5W1Hを使い具体的にお話していきました。
服が抱える問題点を考えるには、WHAT(何で)、WHO(誰が)、WHERE(どこで)、HOW(どうやって)、WHEN(いつ)はもちろんのこと、WHY(なぜ)を考えることが重要です。大量生産・大量消費されている安価な衣服は、それを私たちが求めるからこそ作られているのです。
毎日あたりまえに着ている服の背景や環境側面を考えることは容易ではありませんが、少しでも意識を持ってもらえればと、遊びながら服の一生を学ぶことのできる学びツール「制服の一生すごろく」もご紹介し参考にしていただきました。
3. 楽しくリサイクルを体験「ペットボトルリサイクル実験」
最後は楽しく体験的に学ぶことのできる「ペットボトルリサイクル実験」をご紹介しました。
今回は実験キットを作るところから先生方に取り組んでいただき、その仕組みと実験方法についてしっかりと体験していただくことができました。
簡単にリサイクルを実感できる実験に先生方も驚きの様子でした。
ぜひ生徒さん達にも体験していただき、ペットボトルを分別する時などの意識が変わっていってくれればなと思います。
参加者のご感想
- 服育とは何だろうと思っていました。初めて聞くことばでした。ONとOFFの違いを分かりやすく説明されていて生徒にも伝えやすいですね。ペットボトルリサイクルの実験は簡単な仕組みでできるのでいいですね。生徒の実態にあわせて準備すると授業でもいかせそうです。(支援学校・家庭科教諭)
- ファストファッションについての背景が知れて驚きました。先進国のあり方が問われるならばこれからを生きていく中高生には特に伝えておきたいことでした。実験はとても分かりやすくて勉強になりました。(支援学校・家庭科教諭)
- 服装で第一印象はガラッと変わるというのを改めて感じることができました。また、清潔感というものが印象を左右するということは社会に出る生徒自身が考えて行動できることだと思いました。ペットボトルリサイクル実験もとても良い驚きと発見があり勉強になりました。有難うございました。(支援学校・家庭科教諭)