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服育活動レポート

服育シンポジウム~様々な視点から制服を考えよう~/茨城県立取手第一高校

服育シンポジウム~様々な視点から制服を考えよう~/茨城県立取手第一高校

服育シンポジウム~様々な視点から制服を考えよう~/茨城県立取手第一高校

対象:
茨城県立取手第一高校 全校生徒
日時:
2009年9月9日(水)13:30~14:25
目的・経緯:
取手第一高等学校では生徒たちにきちんと制服を着る意識を持たせるため、これまでにも様々な生徒指導の取り組みを進めてこられました。 その一つとして制服の着こなしについての服育セミナーも年一回開催されてきたのですが、今年はそれをもっと深めるため学校外の方に「外から取手一高生はどう見られているのか、特に制服の着方についてどのように評価されているのか」直接聞き、現状の問題点を考える服育シンポジウムを企画されることになりました。

生徒たちが作るシンポジウム

今回の服育シンポジウムは取手第一高等学校にとって初めての試みでしたが、生徒会が中心となって計画、準備、そして当日のコーディネートまで進めていきました。

まずは基調講演というこで私の方から、衣服のコミュニケーションをキーワードにお話させていただきました。第一印象の重要性、特にその中でも衣服の占める役割について説明し、ノンバーバル・コミュニケーションとしての衣服の力についてお話させていただきました。

これまでも年一回全校生徒対象でお話させていただいていましたので、2、3年生は復習として、1年生は新しい情報としてそれぞれの立場で聞いていただけたようでした。

外から自分たちはどう見られているのか?

基調講演に続いては、今回のシンポジウムのメインイベントであるパネルディスカッションです。

外部の方からの意見を聞くということで、3名のゲストがパネリストとして招かれました。取手の安全を守る取手警察署の方、生徒たちの身近なところで安全に目を配っている青少年センターの方、そしてチクマの3名です。さらに生徒代表パネリスト3名、そして先生パネリスト1名も参加し、計7名によるパネルディスカッションが始まりました。

まずは外部パネリストより自己紹介と取手第一高等学校に対する印象についてコメントさせていただいたのですが、どのパネリストからも少し厳しい意見が出てきました。

特に地域の人々からの意見も聞いてこられていた青少年センターの方からは、「乱れている」「もっと誇りをもって着て欲しい」といった意見が出されましたし、私たちからの印象としても一言「ゆるい」という言葉で全体の印象を述べさせていただきました。

普段なかなか直接聞くことのできない外から見た印象に、生徒たちはそれぞれ何かを感じているようでした。

パネルディスカッション風景

生徒側の意見、そしてこれからの制服は?

続いて生徒代表のパネリストからは、「制服はきちんと着ると気持ちが引き締まる」「社会に出て恥ずかしくない格好をするための準備だと思う」といった制服に対する意見が出されましたが、これらの意見が生徒全員の意見というわけではありません。

前日にとった他生徒へのアンケートでは、1、2年生からは「制服はきちんと着なくていい」、進学・就職が迫っている3年生からは「制服はきちんと着たほうがいい」といった意見が多かったと報告されました。

着崩したい派の意見としては、「制服が好きじゃない」「高校生の間にしかできない格好だから」といったものがあげられていたようです。

しかしそれでも外から見た印象が悪ければ損をするのは子どもたち自身です。

吉田先生から見ると「ずいぶん良くなってきてはいる」ということでしたが、もっともっと良くしていくためにはどのような改善策があるのか意見が交わされました。

「留める・締める・結ぶ」といったキーワードの確認、特に胸元のネクタイについてその大切さがあげられました。また自分はちょっとしか着崩していないと思っていても外から見ると全部崩れているように見えるといった指摘もありました。

警察署の方からの「オン・オフを切り替えて欲しい、みんなが一緒になって守っていけば取手一高は変わる」という最後のメッセージは、きっと生徒一人ひとりの心に響いたのではないでしょうか。

45分のパネルディスカッションでしたので残念ながらこれ以上のディスカッションができなかったのですが、きっと生徒たちが今後制服について考える大きなきっかけになったように感じました。

先生のご感想

取手一高の生徒みんなが、制服をきちんと着る意識を持つ事を目的に「服育シンポジウム」を企画しました。第一部の基調講演ではTPOに相応しい服装・ノンバーバル・コミュニケーションとしての衣服の果たす役割について学びました。第2部のパネルディスカッションでは、一般の方々が取一高生の制服姿をどう評価しているかを直接聞き、問題点について考えました。

制服コーディネーターの有吉さんから、全体に“ゆるい”印象であるという指摘を受けました。そこから具体的な改善策を探りながら、外見だけでなく「自分自身の中身を磨いていきましょう」という結論に達しました。

外から見た取手一高生の印象を直に聞くことができて、それぞれの生徒が自分自身を見直すよい機会になったと思います。

お忙しい中、「取手一高服育シンポジウム」に参加して下さった方々に御礼申し上げます。どうもありがとうございました。
生徒指導主事 吉田浩昭 先生(保健体育)

生徒さんのご感想

服育シンポジウムを通して、服装はTPOに応じた格好を心がけることが大切だということを改めて学び、制服を着こなす事の本当の意味を知ることが気がします。 生徒・教員・一般の方々で意見交換をしたパネルディスカッションでは、現状を把握し、改善策やこれから目指していく制服姿を話し合うことができ、良い機会となりました。今回の服育シンポジウムによって、生徒一人ひとりの考えは変わったと思います。 オシャレや着崩したい気持ちも分かりますが、学校に誇りを持ち、正しい着こなしができる生徒が増えることを願っています。(コーディネーター、生徒会長 栗山真季)