親子で考える制服の役割/廿日市市立阿品台東小学校
- 対象:
- 廿日市市立阿品台東小学校(広島) 児童(3年生~5年生)、保護者
- 日時:
- 2016年11月25日(金)
- 経緯:
- 阿品台東小学校では今春から全学年が揃って制服を着用することになりました。毎日着用する制服をきれいに気持ちよく着るためにも、「制服の意味」や「制服の正しい着こなし」について子どもたちにきちんと知って欲しいと、児童向けと保護者向けの二部構成の服育講演会が企画されました。
児童向け服育「制服と何倍も楽しく付き合う方法」
3年生から5年生までの初めて制服を着ることになった子どもたちに、これまで着ていた普通の服と制服のどこが違うのかというところからお話していきました。
まずは制服(ユニフォーム)の役割を客観的に知ってもらうため、社会の中にある様々なユニフォームを例に出して紹介していきました。
例として広島東洋カープ(野球)やサンフレッチェ広島(サッカー)のユニフォームをあげたところ、ユニフォームの持つ【象徴性】【連帯感】について「確かに!」と納得してくれたようです。
また学校というオンタイムの時にだけ着る制服は、子どもたちにとって勉強の「やる気スイッチ」でもあります。
そのやる気スイッチをオンにするためにも制服について知り正しく着こなして欲しいと、着こなしのひみつを「きちんと」「いろ」「ポロシャツ」「あたたかさとすずしさ」等の実際の制服の色やアイテムを取り上げて分かりやすく話していきました。
最後には「制服のすごいひみつ」として、「制服は話しています」とノンバーバルコミュニケーションについて説明しました。
これまで着ないといけないから着ていた制服が、特別な意味を持ち特別なメッセージを発信する服だと知った子どもたち。話している最中にも出ていたシャツの裾を直したり上着の色を見たりと素直な反応を見せてくれていました。
これからはこれまで以上に制服をきれいに着て、素敵な「制服のおしゃべり」をしてくれるだろうなと感じました。
保護者向け服育「親子で服育コミュニケーション」
児童への講演の後、親子で服育の話を共有して欲しいと保護者の方々へもお話する時間をいただきました。
児童の皆さんにお話した内容を元に、制服について子どもたちとどのような話をしたらよいのか、また自分自身の服装を見つめ直すきっかけとしての服のお話をさせていただきました。
衣服の持つノンバーバルコミュニケーションの力については、子どもにとっても大人にとっても大切なことだと認識していただけたようです。
また特に保護者の方へ知っていただきたいこととして、衣服の安全性について取り上げ説明しました。
子供服の安全基準について昨年末ようやく日本でもJIS化されたこと、世界で広がりつつある交通事故対策としての高視認性衣服の取り組み等、衣服に子ども守る観点があるということに驚きを感じられたようでした。
親と子が共に衣服に関心を持ち、話をすることができる。そんな家庭が増えていけば嬉しいですね。
制服を着るようになって
今春から全児童が制服を着用し、学校生活を送ることになりました。
昨年度、一年生のみに制服を導入し、二年目の今年度より全児童が着用することになったのですが、全員が制服を着用するようになり学校の雰囲気が随分と変わったそうです。
紺色の襟なしジャケットにズボン、吊スカート、白ポロシャツというオーソドックスなスタイルですが、制服を着用するようになってから子どもたちの中に自然とオン・オフ切り替えの意識が芽生え、勉強に向かう姿勢の向上や、遅刻が減るなどの生活態度の変化も見られるようになったそうです。
また服装指導についても一貫性を持って指導することができるようになり、子どもたちにも分かりやすく学校での服装について話をすることができるようにもなったそうです。
近隣の方からも「子どもたちが落ち着いてきたね」と評判で、着用する子どもたちの意識だけでなく周りの方の学校に対する意識へも影響を及ぼしているようです。