こころを育む衣服 服育

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服育活動レポート

衣服から考えるもったいない/廿日市市立阿品台中学校

衣服から考えるもったいない/廿日市市立阿品台中学校

衣服から考えるもったいない/廿日市市立阿品台中学校

対象:
廿日市市立阿品台中学校(広島県)1年生20名
日時:
2008年1月18日(金)14:30~15:20
目的・経緯:
阿品台中学校では2006年から「服育」に取り組んでいます。これまで教職員研修での勉強会に始まり、全校生徒や新入生を対象として行った服育講演などの他、毎日の生活の中でも“授業はじめのABCD”の「C」として服装・容儀の点検など、様々な取組みを通して場に応じた服装やマナーについて考える力を育てる教育を進めています。取組みが始まってからは、制服に対する生徒たちの意識も高くなり学校全体も落ち着いた雰囲気になってきたそうです。今回の授業では新たな服育の取組みとして、衣服のお手入れについて考える授業を家庭科の黒石先生と協力して行いました。

汚れたりやぶれたりした服はどうしてますか?

「みんなは汚れたりやぶれてしまった服はどうしてますか?」

家庭科の黒石先生が、汚れた制服や穴のあいた靴下を見せて生徒たちに問いかけました。

「洗濯する」「クリーニングに出す」「縫ってなおす」といった意見から、全員が「捨てる」と答えた穴あき靴下など様々な意見が出てきました。(靴下の穴を繕うというのは子どもたちにとって驚きだったようです)

途中で今回の授業をコーディネートされた保健主事の角谷先生も登場して、洋服ブラシやエチケットブラシを使ったお手入れの方法も紹介し、様々な工夫についてひとつひとつ確認していきました。

授業風景

よごれ・しわ・やぶれ

「よごれ・しわ・やぶれ」に対してどうしたらいいか意見が出たところで、先生から私たちにバトンタッチです。

今度は「洗濯するにしてもどんなとことに気をつけたらいいのか?」「どうやったら上手にアイロンかけできる」といったお手入れのコツなどについてお話していきました。

例えば洗濯ネットの活用やクリーニングの頻度、アイロンのあて布など当たり前のお手入れを上手にするために知っておいて欲しいいろいろな知識についてです。

基本のお手入れのコツを確認した後は、知ってると便利な「よごれ・しわ・やぶれ」に対する応用編をいくつか紹介しました。

ごはんをつかって墨汁のしみを取る、お風呂の蒸気をつかってしわを伸ばすなど、家にあるものでできるちょっとした応用テクニックにびっくりした生徒もいたようでした。

授業風景

そして「もったいない」へ

ではもしもこのようなお手入れすることをやめてしまったらどうなるのでしょうか?

汚れたり、やぶれた衣服をどんどん捨ててしまったら・・・。

この問いに、子どもたちの口から「もったいない」ということばが出てきました。私たち日本人が大切に育んできたこの「もったいない」ということばは、今改めて脚光を浴びています。

ノーベル平和賞を受賞したワンガリ・マータイさんが国際的に取上げたということもあって、環境問題がますます大切な問題となってきている今日、「もったいない」の精神が見直されているのです。

授業の中では衣服について「もったいない」実践するための3Rの紹介と、衣服の循環の今昔などについてお話しました。

その上でみんながもっと衣服を大切に思いながら付き合ってくれればという願いを込めて「Respect/尊敬・感謝」というもうひとつのRについてお話ししました。

普段何気なく使っている「もったいない」に深さや大切さは、多くの子どもたちの心に残ったようでした。

先生のご感想

今回の「もったいない」のお話の中キーワードの一つ「Respect」は、普段の便利な生活の中で、つい忘れがちですが、改めて大切にしたいことばだと思いました。衣生活だけでなく他の学習でも念頭においておきたいと思います。いつもの授業では、教科書や学習ノートを使いながらの学習が多いのですが、衣服のプロである有吉さんのお話を聞くことができ、生徒はもちろん、私も大変参考になりました。『手入れのちょっとしたコツ』はぜひ試してみたいと思う内容で、生徒の感想にも「家でやってみたい」や「今まで捨てていた衣服を何とかしたい」というものが多く、今後の授業へつなげていきたいと思います。
黒石 美由紀 先生(家庭科)
昨年度よりチクマさんのご協力を得て「服育」を学校教育に導入しました。これまで生徒たちは服育を通し「社会性」について学んでいきましたが、今年度は「衣服の手入れ」にも目を向けさせたいと考え、今回は1年生の家庭科の授業に来ていただきました。そこから【もったいない】をキーワードに授業を展開していただき、人や物への感謝の気持ちにまでふれていただきました。衣服から“生きるということ”を考えさせてもらうとてもよい授業でした。
今後も、保健主事として健康・安全・環境の視点で服育を浸透させていきたいと思っています。
角谷 美恵子 先生(保健主事)

生徒さんのご感想

アイロン以外で服のしわをとるのがお風呂だというのは知らなかった。外国ではもったいないというような単語がないというのは初めて知ったし、世界中に知れ渡っていることも知りませんでした。(1年生)
今回のお話はとてもためになりました。知っていたこともあったけれど、初めて知ったこともたくさんありました。私は家では洗濯は毎日しているので、今回聞いたことをいかしてやってみようと思いました。(1年生)
僕はもったいないという言葉は普通に使っていましたが、そんなに深い意味が込められているとは思いませんでした。母はくつしたがやぶれたらすぐ捨てろと言うのですが、今度からはもったいないから何かに活用しようよと言います。(1年生)
大阪から1年4組のために来ていただいてたいへん嬉しく思います。ありがとうございます。この前看護大学に行った時はTPOというのを教えてもらいましたが、今回は3Rというのを教えてもらって、キーワードの「もったいない」も教えてもらったので、これからの生活では服をもっと大切にしようと思いました。(1年生)