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服育活動レポート

カーボンフットプリントって何だろう/川崎市立宮内中学校

カーボンフットプリントって何だろう/川崎市立宮内中学校

カーボンフットプリントって何だろう/川崎市立宮内中学校

対象:
川崎市立宮内中学校(神奈川県) 中学校1~3年生 25名
日時:
2010年9月22日(水)13:35~15:25
目的・経緯:
宮内中学校では総合学習の中で様々なテーマに取り組んでいます。そのひとつとして今年始まったのが「一人ひとりのエコの力が地球の未来を救う」というテーマで、1年生から3年生までの希望者25名が取り組んでいます。 グリーン購入ネットワークなどの外部講師が中心となって進める授業の第5回目「カーボンフットプリントって何だろう?」で、カーボンフットプリントに取り組む企業代表として私たちも授業に参加させていただくことになりました。
カーボンフットプリントとは?:
カーボンフットプリントとは直訳すると「炭素の足跡」です。「どこ」で「どれだけ」CO2が排出されたかを「見える化」したもので、商品・サービスのライフサイクルの各過程で排出された「温室効果ガスの量」を合算した結果、 得られた全体の量をCO2量に換算して表示することを言います。(CFP制度試行事業事務局HPより)

環境を考えた品物選びの時にほしい情報は?

「一人ひとりのエコの力が地球の未来を救う」という大きな環境のテーマに取り組んでいるのは、1年生から3年生までの25名の生徒たちです。

グリーン購入ネットワークの高岡さんが中心になって進めておられる全11回の授業の中で、前回までに環境について考えるオリエンテーションや、環境エネルギー館の見学を通じて身の回りにある様々な環境問題について学んできました。

今回の授業の初めにも前回までの振り返りとして「環境を考えた品物選びの時にほしい情報は?」について各班で考えたことを発表してもらったところ、上位にはやはり「品質」や「環境のことを考えてつけられたマーク」などがあげられていましたが、面白いところでは「エコの観点入れてあると買いたくなるからパンフレットやカタログがほしい」という意見や「あまったらもったいないから量を見る」など消費者としての視点をもった様々な意見が出てきていました。

授業風景

品物の一生について考えよう

買い物について考えた後は、今日の本題である品物の一生の中で排出されるCO2についてです。

しかしただ単にCO2について考えるのではなく、まずはものの一生について考えることから始めました。

今回サンプルとして取り組んだのはポテトチップスと企業向け女子制服のジャケットです。各班で手分けをしてそれぞれの一生の様子について付箋に書き出しどんどん貼っていきました。

授業風景

ものが作られ私たちの元に届き、そして消費、廃棄されるまでのものの一生について想像した後は、そのそれぞれの段階でどのような環境影響が出ているか考えていったのですが、ここで子ども達の中から声があがりました、「CO2ばっかりだ!!」

そうなのです、原材料を集める段階でも、ものを作る段階でも、輸送する段階でも、消費・廃棄する段階でも必ず出てくるのが地球温暖化の要因の一つとされているCO2なのです。

カーボンフットプリントって何だろう?

ものの一生の中でどれくらいのCO2が出ているかを「見える化」したものがカーボンフットプリントと呼ばれるもので、現在様々な商品で取り組みが始まっています。

今回はカーボンフットプリントに取り組む企業代表として私たちから衣服のカーボンフットプリントについて説明させていただきました。

毎日着用しているものでありながら衣服の一生は、ポテトチップスに比べて子ども達に身近なものでなかったのか分かり難かったようです。一枚のジャケットの一生の中で12.4kgものCO2が出ているということも驚きですが、その中でも特に原料を調達する段階が約70%もの割合を占めているということは予想外だったようでみんな驚いるようでした。

ちなみに原料調達段階の中で一番たくさんのCO2を排出しているのは「染色」段階です。これも以外だったようでクイズにして子ども達に聞いてみると、圧倒的に「ポリエステルの製造段階」に多くの手が挙がっていました。

自分たちが毎日着用している衣服がたくさんの段階を経て、たくさんのCO2を出しながら作られているという現実を知ったことは、子ども達にとってもこれからの衣服との付き合い方を考える上で参考になるところがあったのではないでしょうか。

今回はジャケットとポテトチップスだけでしたが、カーボンフットプリントの学習を通して学んだことをぜひ生活の中でいろいろなものと付き合う中でいかしていって欲しいなと感じました。

授業風景

先生のご感想

総合的な学習の時間に講師の先生をお招きし、「カーボンフットプリント」を題材に授業が行われました。「炭素の足跡」、どれだけCO2が排出されたかを「見える化」する大変興味深い授業でした。

他の学校でも前例がないということで、生徒の反応が気になりました。今回は、品物の一生の中で、例として取り上げたジャケットやポテトチップスにどれだけのCO2が排出されているのか、驚きを感じた生徒がほとんどでした。「CO2排出マークが表示されれば意識が変わります」「表示を見て品物を選択し買うようにします」などの意見がありました。

今後は、11月3日(水)の文化祭にて発表します。学習に参加した生徒がまとめた内容を全校生徒及び地域住民や保護者に向けて、私たち一人ひとりが取り組むことで、できるエコについて情報を発信します。総合的な学習の時間を通じ、生徒の考えや行動に変化があったと思います。今度は、周囲の人々を巻き込み、体験したことを発信していく最後の大仕事に期待をしています。
川上泰平 先生(保健体育科)

生徒さんのご感想

カーボンフットプリントがたくさんの製品で導入されれば見えなかったCO2が見ることができ、良い判断基準になると思います。
ポテトチップスやジャケットを作るだけでたくさんのCO2が出ることにびっくりしました。
驚いたのは、製品を製造・販売する過程で多量の石油などを使用していたことです。
会社がゴミを減らす努力をしていたこと。
二酸化炭素が増えると日本の未来がどうなってしまうのか、とても不安です。
将来、もう今みたいな生活ができないのかもしれないと思うと怖いです。