こころを育む衣服 服育

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服育活動レポート

服から考える環境~私たちにもできる服エコのススメ~/兵庫県高校家庭クラブ連盟

服から考える環境~私たちにもできる服エコのススメ~/兵庫県高校家庭クラブ連盟

服から考える環境~私たちにもできる服エコのススメ~/兵庫県高校家庭クラブ連盟

対象:
兵庫県高等学校家庭クラブ連盟 高等学校家庭科クラブ生徒
日時:
2009年8月6日(火)13:40~15:10
目的・経緯:
今回は兵庫県高等学校家庭クラブの生徒たちの集まりの中で、服育について話をして欲しいということでご依頼いただきました。 指導者としての活動が期待される各校の家庭クラブメンバーに対して、服育の中でもこれから特に大切になってくる「環境」分野についての話をとのことでしたので広く衣服と環境とのかかわりについてお話させていただきました。

衣服と「ゴミ問題」を考える

衣服に関心の高い家庭クラブの生徒さんたちを対象にした「環境」講演ということで、基礎的な内容はもちろん少し難しい内容も織り交ぜながらお話させていただきました。

まずは「衣服と環境との関係」というところから紐解いていきましたが、衣服が世界とつながっており、様々な環境問題とも深いかかわりがあるという視点自体新しく感じた生徒さんも多かったようです。

その中でも特に今回は「ゴミ問題」と「地球温暖化問題」を取り上げ衣服を通して考えていきました。

「ゴミ問題」を考える上でまず知っておいてもらいたいのは、「いったいどれくらいの服がゴミとして処理されているのか」という点です。

クイズ形式でお聞きしたのですが、答えの「約9割がゴミ」にはショックを受けた子も多かったようです。

今の私たちにできることとしてまずあげられるのは3R(リデュース、リユース、リサイクル)、それにリペア(修理)やリフューズ(断る)という取り組みがあげれらますが、その実践のとてもよいお手本が私たちの歴史の中にありました。

それは貴重な繊維が無駄なく循環されていた江戸時代です。

江戸時代と現代の繊維循環の比較や、私たちが古来より大切にしてきた「もったいない」というこころは、生徒たちにとっても改めて自分たちの生活や文化を見つめなおすよい機会になったようでした。

講演風景

衣服と「地球温暖化問題」を考える

続いては、最近話題にのぼることも多い「地球温暖化問題」についてです。

地球がどんどん温かくなってきているということは事実で、その大きな原因として温暖化効果ガスの増加があげられていますが、この点についても衣服からできることはたくさんあります。

「クールビズ」や「ウォームビズ」ということばで一般的になりましたが、衣服の着用の仕方を工夫することで体を効果的に温めたり冷やしたりすることは一番身近で誰にでもできる工夫です。

今回は高校生のみんなでも簡単に取り入れることができる下着の工夫と三首(首、手首、足首)がポイントというお話をさせていただきました。

さらに生徒の皆さんにはこれからの取り組みについても知ってもらいたいということで、ライフサイクルアセスメント*1 やカーボンフットプリント*2 についても簡単にご紹介しました。

自分たちが毎日着用する衣服を「選ぶ時」「着る時」そして「その後」について、環境という視点からできることは様々にあります。

ぜひその視点を大切に、生徒の皆さんがグリーンコンシューマー(環境に配慮した消費者)として一歩でも前に進んでくれたらと願っています。

*1 製品のライフサイクルにおける、投入資源、環境負荷及びそれらによる地球や生態系への環境影響を定量的に評価する方法。

*2 炭素の足跡。個人活動や商品のライフサイクル全般(原材料調達から廃棄まで)で排出された温室効果ガスを二酸化炭素排出量に換算したもの。

講演風景

布を暮らしの中でいかす“ふろしき実習”

講演の最後は「布を楽しく暮らしにいかす」ということで、ふろしきの実習を行いました。

日本文化のよさを現代にいかすアイテムとして注目を集めるふろしきについて、結び方の基本から応用編まで実際自分たちでも結びながら挑戦してもらいました。

ふろしきというと古くさいイメージを持っていた生徒たちも、ちょっとした工夫でいろいろな形に変化し様々なものをやさしくかわいく包むことができるふろしきの魅力にびっくりしたようでした。

感想の中にも「さっそく使ってみたい」という声が多くありましたので、ぜひ楽しみながら彼女たちなりのふろしき活用法を生み出してもらいたいですね。

先生のご感想

家庭クラブの活動の中でも環境問題を取り上げて実践することはありますし、家庭科の授業でも学習するのですが、さらに衣服と環境についての関係を深く知ることができました。 具体的な数値や視覚に訴える資料により、生徒にも理解しやすかったと思います。

また、古くからの日本の生活スタイルが実はとても環境を考えた素晴らしいものであったという内容は、生徒にとって、今の生活スタイルを見直すよいきっかけになったようです。 ふろしき講習では、実際に自分で結んだり形にしてみることにより、ふろしきを身近なものと感じ、日常生活の中で使ってみたいとの声を多く聞くことができました。
高階理恵 先生(家庭科)

生徒さんのご感想

現代の私たちと江戸時代の人たちの衣服の循環を比較してみてみると、江戸時代の人たちはいらなくなった服などのリサイクルが豊かなのに対して、今の私たちは1割ぐらいしかリサイクルせずに9割も捨ててしまっていることが分かってすごくもったいないと思いました。日本にしかない「もったいない」ということばは素晴らしいと思いました。この講演を聞いてすごくいい話が聞けたと思いました。今日の話を忘れずに、私もエコについて考えないといけないなあと思いました。
衣服が環境問題につながっていると言われた時に初めはピンときませんでしたが、衣服はいろいろなところにつながっていることが分かり勉強になりました。ふろしきを使ったかばんは便利だし、簡単でオシャレの一つにもなりそうなので今後使ってみたいと思います。(2年生女子)
ゴミとして捨てられている量が9割もあるなんて思わなかった。自分たち現代人が大量のゴミを出していることは何となく知っていたけれど、今日詳しく話を聞いて自分のしていることを見直すことができた。ふろしきの講習ではただの布からどんどん変化をしていってて不思議だったし、とても楽しかった。生活に活用できたらと思う。(3年生女子)