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未来に向けたSDGsの現在地
- 日時:
- 2026年7月31日(金)14:00-16:30
- 場所:
- APイノゲート大阪 11階 J・Kルーム
- 開催形式:
- リアル&Zoomウェビナー
- 講師:
- 松井 孝典(大阪大学 工学部 / 大学院工学研究科 環境エネルギー工学専攻 地球環境共生工学領域・助教)
- 講師:
- 浦上 奈々(国際連合地域開発センター・研究員)
- 講師:
- 奈良県立五條高等学校 ビジネス部
- 講師:
- 中村 尚弘(株式会社チクマ 環境推進室・チームリーダー)
- 講師:
- 中平 翔(株式会社チクマ ユニフォーム事業部・デザイナー)
- 主催:
- 株式会社チクマ
- 協力:
- 京都服育研究会、兵庫服育研究会
- 後援:
- 文部科学省、大阪府、大阪府教育委員会、大阪市教育委員会、兵庫県教育委員会
- PDF:
- セミナー詳細
MDGs、SDGs、そしてポストSDGsへ講師:大阪大学 工学部/大学院工学研究科 環境エネルギー工学専攻 地球循環共生工学領域 助教 松井孝典

MDGs、SDGsを学ぶ
我々ホモサピエンスは長く飢餓と疫病と戦争に苦しんできましたが、約150年前に化石燃料を見つけ、人口が80億人を超えるまで爆発しました。しかしその裏で、地球環境が壊れかかっています。6500万年かけて冷却してきた地球の気温が、わずか150年で逆転しそうになっているのです。
貧困問題への取り組みとして国連は2000年にミレニアム開発目標(MDGs)を策定しましたが、途上国中心で先進国が参画しにくい課題がありました。そこで2015年、「誰一人取り残さない」を掲げた持続可能な開発目標(SDGs)が、環境と経済と社会を等価に扱う普遍的な目標として策定されました。SDGsはウェディングケーキモデルが示すように、地球環境の基盤の上に社会と経済が成り立つ構造とされています。
Planetを学ぶ(環境分野の3つのキーワード)
脱炭素(Decarbonization)
カーボンニュートラルや省エネでエネルギーを半減させ、再生可能エネルギーに転換し、残余CO2を森林や海洋に吸収してもらう必要があります。ただコロナ禍でもCO2はほとんど減らなかったことや、上位1%の富裕層がCO2の15%を排出しているという現実から、劇的な変革と公正な移行が必要です。
生物多様性(Biodiversity)
生物多様性の回復が必要です。人間の活動だけで年間600種が絶滅しています。2030年までに陸海域の30%を生き物に返す「30 by 30」が目標ですが、日本は陸域20%、海洋14%でまだ不足しています。
循環経済(Circular Economy)
サーキュラーエコノミーはゴミという概念をなくし、資源をシステム内で循環させ続ける仕組みです。3Rからさらに一歩進み、再生可能なバイオ系物質への置き換えや、使えば使うほど自然界が元気になるリジェネラティブな産業へ変革することが重要です
2030以降を想像する
ポストSDGsに向けては3つの課題があります。第一に気候変動と生物多様性で、すでに1.5℃上昇を超えつつあります。第二が高齢化で、若者がマイノリティとなる中でいかに彼らの声を中央に届けるかが重要です。第三にAIとトランスヒューマンで、シンギュラリティが前倒しで来る中、AIを含めた教育と共生のあり方を考える必要があります。
*シンギュラリティ・・・技術的特異点。人工知能が人間の知能を超え、社会に急激な変化をもたらすとされる転換点を指す。

地域で進めるSDGs ―現状を“見える化”、アクションにつなぐ-講師:国際連合地域開発センター(UNCRD) 研究員 浦上奈々

UNCRDと世界のSDGsの現状
国連地域開発センターは名古屋にあり、ニューヨーク本部の経済社会局と連携しながらSDGsの推進に取り組んでいます。
国連の『持続可能な開発目標報告2026』によると、SDGsの進捗について世界の状況は厳しく、2030年まであと4年を切る中、軌道に乗っているのはわずか15%。コロナや紛争、気候変動といった重なる危機の中、資金も不足しています。しかし私たちは諦めず、効果的な施策を拡大し、前進していく必要があります。
日本におけるSDGsと若い世代の役割
日本はSDGsの認知度が世界でも非常に高い国です。ただし、知っていても行動に移すことができていないのが現状で、SDGsの達成度ランキングは下がってきています(169か国中20位)。これが日本の最大の課題です。
SDSN『持続可能な開発報告書2026』によると、日本では「達成済み」のゴールはなく、最低評価の「深刻な課題がある」と判断されたのはゴール5(ジェンダー平等を実現しよう)、ゴール13(気候変動に具体的な対策を)、ゴール14(海の豊かさを守ろう)、ゴール15(陸の豊かさを守ろう)の4ゴールでした。
そうした状況の中、私たちが特に期待を寄せているのが若い世代です。2025年の国際首長フォーラムでは、同じステージに立ち発表してもらいました。国連のユースアドバイザーのファルザナ・ファルクさんも「若者はボランティアではなく、地域変革の実行パートナーだ」と訴えています。豊田市子ども会議やJUNTOSのメンバーたちも、誰一人取り残さないというSDGsの理念を実際の活動で実践しています。
SDGsの達成状況を見える化し、アクションにつなげる
UNCRDが重要視しているのが、地域での進捗状況の見える化です。全国平均だけでは地域の違いが見えません。UNCRDは自治体や企業と共同でダッシュボードを開発し、都道府県ごとの強みと課題が一目で分かるようにしています。例えば、大阪府は産業基盤が強く、公共交通も充実していますが、ジェンダー平等や農業生産では全国と同様に課題を抱えています。
こうしたデータを教育現場でぜひ活用していただきたいと思います。子どもたちが地域の実情を理解することで、新しいアイデアが生まれるかもしれません。
SDGs採択時のキャッチフレーズは「世界を変革する17の目標」。サナギが蝶に変わるような劇的な変革が必要です。私たち大人だけでは難しいことも、若い世代の柔軟な発想力と新しいアイデアなら、世界を本当に変えられるかもしれません。
地域で取り組むSDGs経営と効果的な情報発信 | 中部圏SDGs広域プラットフォーム

【学校事例紹介】第7回関西SDGsユースアクション2025 チクマ服育賞 「FUKU-FUKU LOOP ~服の廃棄問題に挑戦」講師:奈良県立五條高等学校 ビジネス部
世界では毎秒ゴミ収集車1台分の衣類が捨てられています。私たちは、その現状を解決するために循環型リサイクルプロジェクト「FUKU-FUKU LOOP」を考案しました。
第1段階「Re:MEMORY」では、思い出の服を実用品にリメイクしました。第2段階「Change Clothes」では、五條市と連携して回収した不要衣類の交換会を実施し、地域内循環を促進しました。第3段階では、交換会でも残ってしまった衣類を中材に再利用した「防災クッション」を考案し、衣類の廃棄ゼロを目指しています。
現在、(株)チクマと連携し防災クッションの実現を進めています。クッションカバーには未活用制服生地を活用し、福祉作業所で縫製していただきました。完成した防災クッションを多くの人に届けるため、販売方法やターゲットも検討しています。
服は捨てるものではなく、循環するものです。この循環を支えているのは、数字ではなく、人の想いや行動です。1着の服が誰かの幸せにつながることを願って、洋服の「服」、幸せの「福」、新たな風が「吹く」の3つのふくを合わせた「FUKU-FUKU LOOP」を進めていきます。

【企業事例紹介】ユニフォームから取り組むSDGs講師:株式会社チクマ 環境推進室 チームリーダー 中村尚弘 / ユニフォーム事業部 デザイナー 中平翔
SDGs推進におけるマテリアリティの必要性
企業におけるSDGsの推進においては、17の目標と169のターゲットすべてに取り組むことは現実的ではないため、優先的に取り組むべき重要課題である「マテリアリティ」を設定することが重要です。マテリアリティを明確にすることで、社会課題の解決と企業価値の向上を両立できます。
ユニフォームリサイクルの推進と環境負荷の見える化
チクマでは使用済みユニフォームを回収し、自動車の内装材として再資源化するマテリアルリサイクルを推進しています。全国第一号となる広域認定制度を取得し、適正かつ効率的な循環型リサイクルを実現しています。また、LCA*¹を活用して製品の環境負荷を見える化し、その透明性を示す第三者認証のEPD*²環境ラベルも取得しています。
*1 Life Cycle Assessment(ライフサイクルアセスメント)・・・製品のライフサイクル全体で環境負荷を評価する手法
*2 Environmental Product Declaration(環境製品宣言)・・・製品の環境負荷を第三者機関によって検証し、透明性をもって提供する仕組み

マテリアリティを取り入れたユニフォーム提案
チクマではユニフォーム提案にもマテリアリティの考え方を取り入れています。2026年3月にリニューアルオープンした太秦映画村様へも、マテリアリティの考え方を取り入れた様々な提案を行いました。デザインや仕様だけでなく、平均気温に応じた着こなし例や、生地色による熱吸収の違いを示すことで着用時の快適性向上にも配慮しています。
着用後のユニフォームは、広域認定制度を活用したリサイクルシステムによって、自動車の内装材へ生まれ変わり、資源循環に貢献する仕組みとなっています。


サステナブルな製品やSDGsに関わる取り組みについて展示
会場では、サステナブルな製品やSDGsに関わる取り組みについて展示しました。
昨年も好評だった「氷点下ベスト」の試着体験に加え、今年は冷感ポンチョや夏の快適ユニフォームなどユニフォームで取り組む猛暑対策をご紹介。
また、全国でご活用いただいている「制服の一生すごろく」のWEB版を初めてお披露目し、実際に体験していただきました。
私たちがユニフォームを通して取り組んでいるSDGsについて、多くの方にご覧いただくことができました。




























