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服育活動レポート

三重服育研究会シンポジウム2016レポート

シンポウム「子どもをまもり育む服育とは」

シンポウム「子どもをまもり育む服育とは」

No.:
服育シンポジウム「子どもをまもり育む服育とは」
日時:
2016年8月25日(木)14:00-16:00
場所:
四日市市民文化会館 第4ホール
対象:
教育関係者、PTA
参加費:
無料
主催:
三重服育研究会
後援:
四日市市教育委員会、菰野町教育委員会、四日市私立幼稚園協会、四日市市私立幼稚園PTA連合会

講演/「身にまとう」ってどういうこと? ~子どもの成長と生き方から考える~講師:暁幼稚園 園長/松永高弘先生

幼稚園では子ども達は初めて母親から離れ集団生活を送ります。その時に着用しているのが制服であり、制服は公私を分ける大きな指標となっています。
私達の園でも入園前の2歳児クラスの子は私服で登園していますが、集団生活を送ることのできる年齢である3歳児からは制服を着用しています。発達の段階で服を分けることは必要なのです。
菊池寛「形」に出てくる赤い鎧のように、外見(服装)にはその人の内面が表れています。服装には自分が育ってきた環境や親の価値観など、私達の内面が映し出されているのです。
人間形成に服がどう関わるのか考えた時、内面→服だけでなく、どのような服を着るかによって内面が育つということもあるのではないでしょうか。
子どもの成長にとって親とどのように関わるかは重要です。親の愛情を感じながら親の持つ価値観や美意識を知ることで、「自分らしさ」とは何か考えることができます。これがこれからの服育にもつながっていくのではないでしょうか。

講師のご紹介

シンポウム「子どもをまもり育む服育とは」
松永高弘先生
暁幼稚園 園長

中高の21 年間の教鞭の後、幼稚園で10 年を過ごす。4 人の父親としての子育て経験も生かし、幼児期の子育ての大切さや親のあり方など” 親育ち” にも力を注いでいる。四日市私立幼稚園の会長として四日市や北勢の幼児教育の推進にも努め、小中高につながる育ちの連続性を見通した子育てや幼児教育を進めている。

服育調査報告/子どもたちの衣服に関する調査報告

2014年~2015年にかけておこった下記調査より抜粋し報告を行いました。
・子ども服の安全に関する調査 ・高視認性安全服モニター調査 ・学校での衣服に関する意識調査より

学校生活における「ヒヤリ・ハット事例」で最も多かったのが交通事故です。特に小学生低学年では飛び出しによる事故が最も多く、またその事故の多くは下校中に起こっているという報告もあります。
交通事故対策のひとつとして私達が提案している高視認性安全服について、千歳市と水戸市で行った着用モニター調査の結果を報告しました。
黄色いベストを着用することで「見えやすくなった」とする保護者が増えるのはもちろん、着用している子ども達自身も「(着用することで)交通安全に気を付けようという気持ちになった」と答えています。
また「学校での衣服に関する意識調査」では、服装について友達から何か言われたことのある子の存在や、学年が上がるにつれて親子でのコミュニケーションが減少しているという事実が見えてきました。

 

パネルディスカッション「子どもをまもり育む服育とは」

<パネリスト>
・暁幼稚園 園長 松永高弘先生
・元県立高等学校校長、元私立中学校  高等学校校長 伊藤博和先生
・四日市市立常磐中学校 PTA 会長 市川ゆかり氏
・三重県四日市南警察署生活安全課副参事兼北勢少年サポートセンター長 山路智子氏

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パネルディスカッションでは、子ども達を取り巻く様々な立場から「子どもをまもり育む服育とは」についてディスカッションを繰り広げていただきました。
まずは子ども達の衣服の現状について、市川氏からは「保育園では衣服に関するアドバイス(これも服育)があったが、小学校にあがると何もない。服も着っぱなしだった」、山路氏からは「外見に惑わされずに補導したいと思っているが、やはり子ども達の心の様子は服装に表れている」、伊藤先生からは「人は服装のとおりになる」とそれぞれのご経験から語っていただきました。
その服で子ども達の変化に関わった事例として、市川氏から「荒れていた学校が終日体操服OKだったのを、制服化したら落ち着いた」という話をご紹介いただき、また私服校と制服校の両方を経験された伊藤先生からは「私服だと服装にエネルギーを傾けてしまう子がいる。毎日の服装で悩まなくてすむ制服は、生徒間の余計な競争も生まずにすむ」とそれぞれのメリット・デメリットをあげながらご説明いただきました。
今後子ども達のために大人がどう関わっていくべきかについては、市川氏からは「保護者が積極的に関わり、保護者が見てくれていると子どもが感じることが大切」、山路氏からは「大人が子どもを説得できる力をつけること」、伊藤先生からは「毅然とした態度でいること」、そして松永先生からは「ものの価値、人のありがたさを伝えること」とコメントいただきました。
パネルディスカッションを通し、改めて衣服を通した子ども達とのコミュニケーションの大切を感じることができました。

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参加者のご感想

子どもたちの実情や学校での取り組みの様子が分かった。地域とどのように連携していくとよいか考えるきっかけになった。子どもたちに今後話をする時、衣服の安全面での視点を入れていくことも大事だと思った。(小学校校長)
それぞれの立場で子ども達を見守る方々の経験談やご意見を聞かせて頂くいい機会となりました。また今回のシンポジウムで「服育」という言葉や活動内容について知りました。今後、たくさんの人にも知ってもらう機会が増え、子どもたちを守ることにつながればと思います。(保護者)
教育者の方の意見がとてもためになった。親が思うより子どもの世界での服というのが競争やいじめの対象になるというお話は全く知りませんでした。 (保護者)