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服育活動レポート

自分で学んで!自分を守る!新しい家庭科教材「すく~とん」/京都府立洛北高等学校附属中学校

自分で学んで!自分を守る!新しい家庭科教材「すく~とん」/京都府立洛北高等学校附属中学校

自分で学んで!自分を守る!新しい家庭科教材「すく~とん」/京都府立洛北高等学校附属中学校

対象:
京都府立洛北高等学校附属中学校(京都府)2年生
日時:
2013年4月~5月
目的・経緯:
家庭科は衣食住だけでなく保育や消費者問題から環境まで幅広い内容を含む教科です。 その中で被服分野をどのように取り上げ子ども達に興味を持って学ばせていけばよいのか、また限られた被服製作の時間の中で何を教材にすればよいのか悩まれている先生も多いようです。 被服製作において基礎的・基本的な技術の習得はもちろん、完成した作品を実際に活用することができ、しかもそれがエコにつながればなお良いという思いから、家庭科の先生と共同開発し誕生したのがスクール用多機能座布団「すく~とん」です。 今回は「すく~とん」製作に挑戦した中学生の家庭科授業に密着させていただきました。

たくさんの要素がつまった「すく~とん」

「すく~とん」の中には、家庭科で学んでもらいたい要素がたくさん詰まっています。

ミシンを使った直線縫い、しつけ縫い、スナップ付けといった基本的な技術はもちろん、外布・内布の2枚を使った製作の過程で「裏返したらどうなるのか?」など、完成作品を予測しながら作り上げていく力も養っていくことができます。

またこの外布・内布は使われなくなった学生服用の生地をリユースしているので、環境のことにも触れながら製作を進めていくことができます。

出来上がった座布団(「すく~とん」)はいざという時、「持ち出しバック」兼「頭を守る頭巾」にもなりますので、授業中はもちろん完成後、毎日座布団として使用する中で自然と「防災」を意識することができる、まさに”多機能”な教材なのです。

ひとつひとつ丁寧に仕上げていきます

製作実習の様子をのぞいて見ると、男の子も女の子もみんなが真剣に取り組み、先生の説明が終わると一斉に作業に取り掛かっていました。

様々な技法が組み込まれているので間違えたまま進めていくと、後から取り返しのつかないことにもなりかねません。ですので製作はいくつかのポイントで先生のチェックを受けながら、一人一人が丁寧に進めていきました。

中にはミシンの糸調子がうまく調整できなかったり、勢いよく縫いすぎたり、スナップ付けに苦戦したりと苦労する生徒さんもいましたが、四苦八苦しながらもみんな頑張って取り組んでいるようでした。

自分の作品で自分を守る!

総授業時間6時間、昼休みや放課後など授業以外の時間も進捗に応じて取り組みながら、ついに「すく~とん」が完成しました!

器用な生徒さんもいればちょっと苦手な生徒さんもいる、こだわっていろいろな装飾をする生徒さんもいればシンプルに仕上げる生徒さんもいる。40人いれば40個の個性を持った「すく~とん」が出来上がりました。

完成後は実際に座布団として活用します。 中にはひざかけが入っているので座布団として使ってもいいし、「すく~とん」を広げてひざかけとして使うこともできます。 もちろんいざという時は大切な頭を守る頭巾として活躍するでしょう。 毎日使うものとして身近にあれば、いざという時にすぐに防災用として使うことができるので心強いですね。

「自分を守る」という大切なテーマを、手を使いながら時間をかけて取り組む「すく~とん」は、家庭科教材でありながら防災をも学べる新しい取り組みの形になるのではと感じました。

先生のご感想

1年生の時に「リバーシブル・オリジナルランチョンマット」を製作しているので、比較的スムーズに取り組み始めましたが、直線縫いの長さやスナップ付けの多さなど、ある意味根気が必要だったようです。

しかしみんなよく頑張りました。全員完成。その後、災害への備えについて学習しました。住まいの点検や避難場所の確認など、家族と話し合った生徒も多く、防災についての学びが家庭生活に定着し始めているようです。(竝川 幸子 先生 家庭科)

生徒さんのご感想

ランチョンマットより難しく時間がかかりましたが、楽しくかわいく作ることができました。毛布を入れた時に「何かあったらこれで暖をとるんだ」と思いました。夏なので暑かったけど「冬にはすごく重宝だな」と思いました。(中学2年生女子)
今までミシンが苦手だったけれど何度も使っているうちに大分慣れたと思います。前よりもまっすぐきれいにぬえるようになりました。防災について自分の身を守ることは大切だと思います。いつ起こるか分からない災害に備えるようにしたいです。(中学2年生女子)
丁寧にがんばれたと思う。実際に生活で使うものを自分で作るのは楽しいと思った。防災について意識して災害が起きた時に自分の身をどうやって守るかなどを再確認できた。(中学2年生男子)